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健康相談に関する地方自治体の質問事項への回答

健康危機管理ニュース
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平成23年3月18日付事務連絡(平成23年3月21日一部修正及び追加)
「放射線の影響に関する健康相談について(依頼)」に関する地方自治体の担当の方からの主な質問事項への回答

平成23年3月23日

この事務連絡は、福島原子力発電所事故を受けて、福島県外の地方自治体において、放射線の影響に関する健康相談について、体制の整備を図るなど、適切に対応いただくようお願いしたものです。
この事務連絡の別紙1「放射線の影響に関する健康相談の流れ」は、あくまで例を示したものであり、各地方自治体の状況に応じた対応をお願いします。
なお、福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内から他県に避難した方や避難・屋内退避圏を通過した方であっても、脱衣・シャワーなどにより除染されると考えられますので、必ずしも、全ての方にサーベイメータによるサーベイを実施する必要はありません。
住民の方々からの相談への対応にあたっては、まずは十分な説明により不安を取り除くことが重要です。

<質問一覧>
Q1. 被ばくに関する健康相談への対応は、必ず保健所で実施しなければならないのですか?
Q2. 福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内から他県に避難した方や避難・屋内退避圏を通過した方に、健康相談に来ていただく際の注意事項を教えてください。
Q3. サーベイメータによるサーベイの方法、サーベイメータの取り扱い方を教えてください。
Q4. スクリーニングの基準として100,000cpmとした根拠は何ですか?子どもの場合でも、この基準で問題ないですか?
Q5. 核医学検査や密封線源の挿入治療を受けている方について、サーベイを実施する際の注意事項を教えてください。
Q6. サーベイ実施を、医療機関に依頼してもよいですか?
Q7. サーベイを実施するにあたって、サーベイメータがない時はどのように対応すればよいですか?必要な際には、どこに協力を依頼すればよいですか?
Q8. 被ばく医療機関はどこにありますか?
Q9. サーベイの結果、100,000cpmを超えた場合、安定ヨウ素剤の投与が必要ですか?
Q10. 服に汚染があった場合に、服の扱いはどうしたらよいですか?
Q11. サーベイを実施するにあたって、サーベイ従事者の二次汚染防止対策はどうしたらよいですか?
Q12. 福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内から他県に避難した方や避難・屋内退避圏を通過した方以外の方が、どうしてもサーベイを希望した場合は、どうしたらよいですか?
Q13. サーベイを受けた方が、証明書の発行を希望した場合は、どうしたらよいですか?

<質問及び回答>
Q1. 被ばくに関する健康相談への対応は、必ず保健所で実施しなければならないのですか?
A1. 必ずしも保健所で実施しなくても構いません。地方自治体に相談窓口を開設して実施することも考えられます。各地方自治体の状況に応じて、ご判断ください。

Q2. 福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内から他県に避難した方や避難・屋内退避圏を通過した方に、健康相談に来ていただく際の注意事項を教えてください。
A2. 現時点では、放射性物質による高レベルの汚染の可能性は低いので、特別な対応は必要ありません。
今後、高レベルの汚染がある方が増えるようでしたら、電話相談を受けた場合、高レベルの汚染を想定して、あらかじめ着替えを指示し、着ていた服をビニール袋に入れて持参してもらい、その服のサーベイも実施してください。

Q3. サーベイメータによるサーベイの方法、サーベイメータの取り扱い方を教えてください。
A3. サーベイを実施するときには、個人のプライバシー配慮の観点から、サーベイメータの音は鳴らさない方が望ましいと考えられます。下記の緊急被ばく医療研修のホームページに掲載されている“サーベイメータの取り扱いについて”などを参照してください。
(参照)
http://www.remnet.jp/lecture/forum/sh05_sanko01.html
http://www.remnet.jp/info/00009.pdf

サーベイ実施の際は、全身をサーベイするとともに、特に放射性ヨウ素の甲状腺集積を確認する必要があります。NaIシンチレーション式サーベイメータがある場合は、下記資料などを参照して、小児においては特に頸部(甲状腺)部位の確認を十分に実施してください。必要な場合には、被ばく医療機関あるいは(独)放射線医学総合研究所などにご相談ください。
(参照)
「緊急被ばく医療ポケットブック」(p78)
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/index.html

また、福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内で着用されていた一番外の服のポケット、ズボンの裾等についても十分に確認してください。

Q4. スクリーニングの基準として100,000cpmとした根拠は何ですか?子どもの場合でも、この基準で問題ないですか?
A4. 原子力安全委員会が、除染のためのスクリーニングレベルとして示したものです。

(参考)
国際原子力機関(IAEA)は、「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」において、一般住民の体表面汚染に対する除染の基準を、1μSv/h(10cm離れた場所での線量率)としています。この1μSv/hという値は、TGS-136型(アロカ社製)GMサーベイメータ(5cm口径)を用いて計測した場合は、100,000cpmとなります。 
上記の基準は、小児の甲状腺への影響も考慮して決定されたものであり、この基準を適用して構いません。

Q5. 核医学検査や密封線源の挿入治療を受けている方について、サーベイを実施する際の注意事項を教えてください。
A5. 高感度のサーベイメータを用いると、これらの検査や治療の放射線の影響を受けることがあります。サーベイメータにより放射線が検出された際には、これらの検査歴や治療歴についても確認し、必要な場合には、医療機関に確認してください。

Q6. サーベイ実施を、医療機関に依頼してもよいですか?
A6. 各地方自治体の状況に応じて体制整備を図っていただくことが基本ですが、医療機関に過剰な負荷をかけないようご配慮願います。

Q7. サーベイを実施するにあたって、サーベイメータがない時はどのように対応すればよいですか?必要な際には、どこに協力を依頼すればよいですか?
A7. 地方衛生研究所、医療機関、大学・研究機関などに協力を求めることが考えられます。また、平成23年3月18日付事務連絡において、お示ししたとおり、(社)日本放射線技師会に、技師の派遣やサーベイメータの貸し出し等の協力をお願いしていますので、必要に応じて協力を要請してください。

Q8. 被ばく医療機関はどこにありますか?
A8. (財)放射線影響研究所のホームページに一覧が掲載されています。http://www.rerf.or.jp/index_j.html

Q9. サーベイの結果、100,000cpmを超えた場合、安定ヨウ素剤の投与が必要ですか?
A9. 安定ヨウ素剤は甲状腺の内部被ばくを防ぐために服用するものであり、放射性ヨウ素への曝露前24時間以内又は直後の服用では、90%以上甲状腺への放射性ヨウ素の集積を防ぐことができます。逆に、曝露後24時間を経過してからの服用では、集積を抑制する効果は約7%程度です。よって、サーベイの結果が100,000cpmを超えていたとしても、放射性ヨウ素への曝露から時間が経過した時点で、安定ヨウ素剤を投与する必要はありません。

なお、安定ヨウ素剤は、アレルギーなどの副作用を起こす可能性があり、医療関係者の立ち会いのもとに使用することとされています。

Q10. 服に汚染があった場合に、服の扱いはどうしたらよいですか?
A10. 簡単な水洗い等が可能なら試みて、汚染が除去されるか確認してください。汚染があまり取れないようでしたら、汚染部分を内側にしてたたんで持ち帰り、通常通り洗濯するよう説明してください。その際、汚染のあった服であっても、洗濯後は、普通に着て構わないこと、洗濯に使った水は通常の排水として捨てて構わないことも併せて説明してください。

(参考)
(独)放射線医学総合研究所ホームページ
・放射線被ばくに関する基礎知識 第3報
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i6
・放射線被ばくに関する基礎知識 第4報
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?129
・医療機関等における放射線緊急モニタリング対応マニュアル
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/manual.pdf

Q11. サーベイを実施するにあたって、サーベイ従事者の二次汚染防止対策はどうしたらよいですか?
A11. 現時点では、放射性物質による高レベルの汚染の可能性は低いので、白衣、ビニール手袋での対応で十分だと考えられます。サーベイ終了後は、念のため、サーベイ従事者自身の手や服の汚染を確認しておくことが望ましいです。

Q12. 福島原子力発電所周辺の避難・屋内退避圏内から他県に避難した方や避難・屋内退避圏を通過した方以外の方が、どうしてもサーベイを希望した場合は、どうしたらよいですか?
A12. 基本的には、被ばくの可能性が低く健康影響の懸念は殆どないため、サーベイは必要ないことを繰り返し説明します。

Q13. サーベイを受けた方が、証明書の発行を希望した場合は、どうしたらよいですか?
A13. 平成23年3月21日付事務連絡において、お示ししたとおり、証明書等を発行することは、健康相談の趣旨にそぐわず、サーベイ実施施設に過剰な負担をかけるため、望ましくありません。

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